筆洗

日本ハムの栗山英樹監督は中学のとき、野球選手に「なりたい」と思ったそうだ。野球選手に「なる」と言い切る自信や決意はまだなかった。あくまで願望を込めた「なりたい」だった。 「君はどうだったか」。栗山監督は二人の選手に聞いたことがある。一人の選手はこう言った。「中学時代からプロになると信じていた」。中田翔選手。中学でプロ入りを確信していた。栗山さんとはだいぶちがう。 もう一人の選手の言葉にはそれ以上の確信があった。「高校のときには世界一の選手になると思っていた」-。大リーグ挑戦を正式に表明した大谷翔平選手である。